日本:青森県:蔦温泉

これからの季節、日本の東北地方は紅葉のシーズンを迎えます。
今回紹介させていただくのは、青森県十和田市にある蔦温泉です。

十和田八幡平国立公園、奥入瀬渓谷からほど近い鬱蒼としたブナの原生林に囲まれた鄙びた一軒宿、蔦温泉旅館。
大正七年(1918年)に建てられた本館が当時からの歴史を感じさせてくれます。
その歴史は古く、久安三年(1147年)にはすでにこの地に湯治小屋があったと文献に残っているそう。

私が訪問した10月、東京はまだ暑さが残っていましたが、青森では確実に秋、そして冬の足音が聞こえていました。

東京からは東北新幹線で八戸、青森からアクセスが可能です。車であれば国道103号線を経由して1時間半ほどのドライブ、他に青森駅からもバスの直通運転もあり2時間ほどで到着できますので意外とアクセスは良好です。

付近は蔦七沼といわれる沼郡があり、そのなかで蔦沼は、近隣の沼の中では最も大きく、周囲1km、面積6ヘクタールほどあります。「沼めぐりの小路」と呼ばれる遊歩道を散策するだけでも、都会の喧騒から離れて心が洗われていく感覚にとらわれることでしょう。

十和田樹海と呼ばれるブナの原生林の中にひっそりと建っている蔦温泉旅館の自慢はなんといっても源泉が足元から湧出する「源泉湧き流し」の湯。湯船の底に源泉湧出口があり、空気に触れていない湧き流しが、疲れた体を癒やしてくれます。

昭和を代表する文豪井上靖氏や、明治時代の紀行作家大町桂月氏がこよなく愛したとされるこの湯は、日本名湯百選にも選出され、その効能は神経痛やリューマチに効くとされるナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩-塩化物泉。無色透明で肌触りの良い、優しい湯質です。

なお、この温泉は、宿泊客のみならず、日帰り入浴も可能です。

館内は大正建築の面影を残しつつ、リニューアルもされており、非常に清潔感があるレトロモダンな雰囲気。

館内は山の斜面に建てられているのもあって、長い階段もありますが、歩くとギシギシとした感触でどこか懐かしい思いに駆られます。

宿で提供される料理は、地のものをふんだんに使った、四季の移り変わりを味わう品々。木のぬくもりを感じられる食堂でゆっくりと堪能できます。

私が訪れた日はあいにくの空模様でしたが、それでも青森の美しい景色と雄大な自然を満喫することができました。

青森に足を伸ばされた際はぜひ訪れていただきたい一軒宿です。

https://tsutaonsen.com

蔦温泉
〒034-0301 青森県十和田市奥瀬字蔦野湯1
Tel. 0176-74-2311

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